石野の名所

自然と人とが共生「鷹見の里」(上鷹見小学校ビオトープ)

上鷹見小学校では、学校前に造成した2つの池と、地域の里山、池、川、田んぼなどすべてを学校ビオトープととらえ、命のつながりを意識して、多様な動植物が生息できる環境づくりに取り組んでいます。児童は校区全体を「鷹見の里」と名付け、校区の自然を「校区まるごとビオトープ」ととらえました。

学校前の休耕田を借りて造成した2つの池と小川は、自然にまわりの川や池、森などから飛んで集まるトンボを小川や池の目標種に設定して、トンボの楽園を目指して環境づくりに取り組んでいます。羽化や産卵のために草を残す所、開放水面をつくるために草を刈る所、水量の調節をして池の底が見えるようにした所など、多様なトンボが集まるように児童が工夫し、試行錯誤をしながら学習やビオトープ整備を進めています。その結果、トンボは現在までにオニヤンマ、シオカラトンボ、キイトトンボ、モートンイトトンボ、マユタテアカネなど、18種の生息が確認できました。

今後もさらに多くのトンボや生き物に訪れてもらえるようにしたいと考え、児童が、授業や委員会で適切に管理することで四季折々に見られる野草も増えました。また、草地の草丈に変化を持たせることで昆虫の多様性も増しました。夏から秋にかけては、様々な種類のバッタも現れ、子どもたちが生き物と触れ合う楽しい場所になっているとともに、バッタやトンボなどの生き物にとっても居心地の良い生息場所になっています。

このビオトープは、公益財団法人日本生態系協会主催の「全国学校ビオトープコンクール2005」において、最高賞のひとつである国土交通大臣賞を受賞し、さらに「全国学校・園庭ビオトープコンクール2021」においても文部科学大臣賞を受賞しました。

学校ビオトープを活用した学習については上鷹見小学校のホームページをご覧ください。